意外と知られていない歴史

100年以上の歴史を持つシルクスクリーン印刷。
その最大の特徴は、さまざまな素材に印刷が可能なこと。紙や布はもちろんのこと、ガラスや木、石などにも平面であれば刷ることができ『水と空気以外なら何にでも印刷出来る』と言われコンピューターの基板やアート、衣類等様々な分野で多く愛されています。
アメリカ発祥と勘違いされがちですがシルクスクリーンの起源は日本であり、古くから使用されてきた捺染(なせん)型紙(江戸小紋や伊勢型紙、紅型など、型紙を用いての染色)が元になっています。その細かな型紙が破れぬよう、上に絹布を貼付けたことが『ジャパニーズ・ステンシル』として世界中に広まり、ヒントを得た国々でシルクスクリーンの技術は発展していきました。
印刷、テキスタイルのみならず芸術作品にもその技術は活かされ、例えばアンディ・ウォーホルは写真のネガから版を作成する方法を多用し、かの有名なキャンベルスープ缶やマリリンモンローをモチーフにしたシルクスクリーン作品を多く発表した事で有名です。

シルクスクリーンプリントの仕組み

左図のように枠内に印刷インクを入れ、スキージと呼ぶヘラ状のゴム板でスクリーンの内面を加圧し移動する事で版膜の無い部分を透過して版の下に置かれた紙その他の被印刷物面に押し出されてプリントされるという仕組みです。